第23話:半同棲 第1日目

僕はATM?

※遂に彼女と半同棲の生活が始まった
彼女に急におばあちゃんが亡くなって、お金が無いと泣きつかれた。
とっさに思ったのは、金額では無く、僕を頼ってくれた事だった。

「いくら欲しいの?」
「3000バーツでいいの、お願い助けて」
「わかった、銀行の口座番号を教えて」
「うん」

そういえば日本であげたお金はもう使ってしまったのだろうか?
このペースで使われると先が思いやられるが…
取りあえず、彼女の力になれるなら僕も嬉しい。
銀行に出向き、送金手続きをした。振り込んだ旨を伝えると

「ダーリン、愛してる、ありがとう」

そう日本語で言ってくれた。
少しずつ距離が縮まるのを感じた僕だった。

タイ娘のFacebook

以前付き合っていた大学生(ホアヒン娘)は
エッチをしたとたん、お金の話になり、いきなり10万バーツ欲しいと言ってきた。
その時に、僕と付き合っている事をFacebookに公開してくれたら考えるよ、と言ったらピタッと連絡が取れなくなった。
タイ娘のFacebookとは、プライベートの知り合いが多数繋がっているので、日本人と付き合っているなんて書けないのだろう。
彼女とは、ダーリン、ワイフと呼び合っているので、僕の婚約者としてFacebookで公開していい?と聞いて見た。
彼女は、少し待ってと言う。プライベートの詰まったFacebookは、タイ娘にはとても重要な物の様だ。

タイ娘のFacebook

さっそく準備し、パタヤに向かった。いよいよ再会の時が近づいたのだ。思えば、年末年始のドタバタ劇から日本脱出を経て早1ヶ月だ。
彼女に会いたい気持ちは更に高まった。この歳になって、若い女の子と恋が出来るのはタイならでは。
夕方、パタヤのバスステーションに到着し、彼女に電話をした。アパート契約した日に一度だけしか行った事が無い。
アパートはスクンビットロードより更に外側で、彼女の母親の住む街だ。到着しアパートのドアを叩いたが反応なし?出掛けている様だった。
電話しても出ないので合鍵で入った。引っ越しをした時に一度だけ入った事のある部屋だが、中は必要最小限、ほとんど僕の部屋と変わらず。
それほど贅沢していない様で少し安心した。彼女のピンクのベッドに寝転び、しばらくスマホをして待った。ほのかな彼女の匂いがした。
この辺りは様々なWiFi電波が届いているが、どれも弱くて接続出来ない。
アパートではスマホのでデザリングしか方法は無さそうだ。

彼女との再会

突然、部屋のドアが開き、彼女が帰って来た。
目が合うと、お互い無言で抱き合った。しばらく部屋でまったりとし、近くのレストランでムーカタを食べた。
何から何まで、すべて彼女がやってくれる。
たわいもない話で盛り上がり、楽しいひと時だった。店を出て、セブンイレブンに行く時、手を繋ごうとすると、知人がいっぱいいるから恥ずかしいと言う。
可愛いんだ、これが…手を肩に回して欲しいと言うのでそうした。手を繋ぐより、こっちの方がカップルらしくないか?
ま、そのうちこの辺りで、顔見知りが増えるのだろう。セブンイレブンで彼女のスマホのトップアップとクロスパズルを数冊買った。
部屋に戻って彼女のスマホにチャージし、パッケージの設定をしてあげた。いままで切れたらAISへ駈け込んでいたそうだ。
てか、チャージしたとたんに、ものすごい数のメッセージなどがドドドっと入って来てびっくりした。
やはり知人?客?が多いのだろう。覗き込むと日本人の顔が…そう言うのは僕には見せないで欲しい。
彼女はクロスパズルが大好きな様でゴロゴロ転がりながら楽しむ。そんな姿を眺めているのも楽しい。そのうち彼女は眠くなったようで、スヤスヤと眠りに入った。
一緒に生活を始めると、毎日ガツガツとエッチをするなんて事も無いかな?寝顔を見ながらいろいろ考えた。
今日は、スマホのチャージとアパート代くらいしかあげていない。明日以降どうなるのか?
しかし、ほとんど働いていない彼女、どうやって生活しているのか?
ヘタにその事に触れると僕が面倒見る事になりそうなので、その辺は徐々に話をする事にしよう。

明日はどんな1日が待っているのか?取りあえず半同棲、第1日目が終わった。
まったり生活、僕は好きだ。

前の話を読む<<
>>次の話を読む