第7話:ブレーキの効かぬ車に乗ってしまった様に恋に嵌っていく

休みの比に一緒に店に行くとペイバー代が必要?

チェックビンしようとすると休みの筈の彼女のペイバー代を払わされた。
これは店と言うより、ママさん次第の様だ。
女の子のペイバー代の中からママさんにバックがあるからだ。
馴染みのママさんだと、要求されないようだが、このママさんはそうではなかったので仕方なく払った。
それで彼女の顔が立つなら、仕方がないか。

チェックビンすると、ペイバー代含め、6000バーツ。
2店で1万バーツ越え。
しばらくは節約生活は余儀無いか。
明日からは、ちょっとセーブするように言わなくては。
それで、解ってくれないなら付き合え無い。
そう言う女の子とは、長続きしないと思う。

ゴーゴーバーのママさんの存在って、女の子を管理する仕事だ。
大きな店では、ママさんが数人いて、女の子を抱えている。
人気嬢を多く持つママさんは、それだけ稼ぎも良い。
最後のペイバー交渉は、その女の子のママさんがする事になる。
だから、ママさんと仲良くなると、いろいろと便宜を図ってくれる。
新人が入った時も、真っ先に教えてくれるのはママさんだ。
女の子の事は、男性スタッフよりママさんに権限があるのだ。

お金が必要なのになぜ贅沢なのか?

少しお腹が空いたというので、彼女の好きなシーフードレストランに行った。
タイで最初に付き合った彼女も好きで、よく連れて行かれた。
その元カノ、先日バンコクのバカラの2階で躍ってたな。
※海の見えるレストランはデート気分をより盛り上げてくれる

彼女は、生牡蠣と刺身と味噌スープが大好きだ。
彼女は風俗勤めが長いせいか、時々贅沢な所が見受けらる。
僕なんて極力歩いたり、ソンテウ使うのに、すぐにバイタク乗りたがる。
こういう女の子と生活したら、節約なんて出来ないな。

ホテルに戻ると、案の定、服も脱がずに爆睡だ。
僕は、可愛い寝顔を見ながら、服を脱がせ、布団を掛けてあげた。
店を出る前にバイアグラを飲んでしまった僕はどうなるの?

時間にルーズな女は性格もルーズ

朝10時、目覚めた。

「おはよう」
「あ、もうこんな時間、帰らなくちゃ」
「え・・・Hは?」
「戻って来てからね」
「そんなぁ」

どうもすっぽかされる事が多い。
午後3時か、4時か、5時に来る、と言うが、曖昧だ。
そう言って、帰って行った彼女。
だんだんとわがままを発揮し始めた。
今日は、少しビシッと言わなければ。
※こういう姿を眺めつつも僕のムスコは彼女を求めつつ

年末年始は女の子は少ないと聞いていたが、彼女がいるのでパタヤで年越しする事にした。
パタヤの年末年始はホテル代も高く、満室のホテルも多い。
そろそろパタヤにアパートでも借りるか・・・。

些細な事が幸せに思えるってそれだけ飢えている証拠?

午後7時前、彼女からメッセージが入った。
やっとホテルまで来た様だ。
1階に降りると、彼女がいた。
今日もまた可愛いく見えてしまう。
恋は盲目と言うが、僕はまさにそれだ。
※幸せの指輪、僕の指にも自分の名前を刻む姿が微笑ましい

セカンドロードのホテルのバイキングに行った。
ディナー250Bとあったので、どんなものか入ってみました。
朝食より多少バリエーションは増え、ステーキや海鮮類をその場で焼いてくれる。
彼女はあまり口にしなかった。
既にファミリーと食べて来た様だ。
そして、ひとりでビールだ。
ゆったりとした時間が過ぎる。
いろいろお話した。
家族の事、仕事の事・・・。
彼女がナプキンに何か書いている。

「なに?」
「これ私の本名」
「ダーリンの本名は?」

とても些細なことだが、すっごく嬉しい。
これで僕が20代だったら幸せが待っているのだろうな。
そう思うと、おやじになってしまった自分がとても残念だ。

人間誰しもが歳を取りそしていつかは居なくなる。
せいぜい生きている間に恋を楽しみたい。

つづく。

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