ep.10 愛は盲目?愛人の本性とは?
タニヤから水揚げしてあげたベルが、いま元働いていたビルに入っていった。
えっベル?他人の空似?
あーあ、また見てしまったと思った。私は他人の劇的瞬間に何故か子供の頃から鉢合わせてしまうのだ。今回は愛人の欺瞞的な影を見てしまったのだ。
タニヤで働いている事を不憫に思い、愛人契約をしてサポートしているのに隠れてタニヤで働いているのだ。
もう一度…腹立つというか…うわー、という感じだった。
数日落ち込んでいた…ベルも所詮、得体の知れないズルい女なのかも知れないと思うと気分が悪かった。
次に会った時…「ピンクの髪して前の店に入って行った?」と聞くと…
「ピンク?髪ピンクじゃないじゃん」と否定された。
「えっ、そうだよね」私もあっさり信じてしまった。
が、今考えると…誰かに会った場合の為…ピンクのカツラを被っていたかも知れない。
結論から言うと…そのピンクの女はベルか分からないけれど…ベルは愛人契約を受けてからも私の目を盗みタニヤで働いていたらしい。
外道である。けっこう悪い女だったのだ。
後に彼女のFaceBookを調べると…週末…いろんな男と旅行していた…家で掃除洗濯すると嘘つきながら…
私が彼女に見ていたのは実在してないゴーストであった。
例えばこんな事もあった。
ことが終わったあとご飯を食べに行こうよというと…一瞬嫌な顔をした。
それでも無理矢理誘うと彼女は何かを机の裏に投げた。
彼女は鍵が見つからないから出掛けられないと言う。
私がさっき投げたのは何?と聞くと見えてないと思ってたようで驚いていた。
そして隠しきれないと思ったようで鍵を机の後ろから取り出して来た。由々しき事だが私は…
「行きたくないなら行きたく無いと断って良いんだよ」
と優しい勘違いと優しいフォローをしてしまった。
本当の問題は彼女は目的の為なら嘘を平気で言えるし、そんなあざとい真似を即座に出来る女と言うところなのだ。そして将来も私にとっての問題行動をする筈なのだ。
私は振り返ると…
あの時彼女を捨てるべきだったのだ。
が、彼女は可愛いく、清楚風で…この後も優しい勘違いで良い子だろうと彼女の悪い行動を良く取ってしまうのだ。嘘つきは泥棒の始まり、というようにちょっとした嘘から悪いことに発展していくのだ。
が、可愛いと許してしまう。何度も、そして小さな爆弾を少しずつ増やして抱えこんで行く事になる。なかなか気づきにくい悪魔っ娘なのだ。
私は彼女は愛人だと思っていた。が、実際彼女はセックスフレンド以下であった。
それでも彼女と8年続いたのはひとえに彼女が可愛かったからだ。彼女が学費が払えないと言えば払ってあげた。クリスマス、誕生日には欲しい物を買ってあげた。弟がパソコンを欲しいと言えば買ってあげた。食事は高いものを奢ってあげた。
しかし、いくら尽くそうが彼女は感謝してなかったらしい。
一度日本に連れて行った。大阪と京都。USJユニバーサルスタジオや金閣寺などである。
思い返すと旅行に行ったのはそれきりだった。
私はそれでも楽しかった。彼女もUSJとか京都、そして日本の寿司が気に入ったようだった。が、彼女は私のイビキが嫌そうだった。
そう言えば…ウチの嫁は私のイビキに嫌そうな顔した事なかった…
お土産買ってあげて、その後青森で用事があったし、彼女も学校があるので先にバンコクに戻った。
関空が雨で浸水した時であった。無事帰れるか心配したものである。
私は彼女との写真を中学校の友達に送っていると…バンコクに忘れて来た携帯で嫁に見られてしまった。
彼女は最初どっかからか連れて来た女だろうと思ったようだったが…
私がバンコクに戻り話しをしている時…嫁はいきなり私がバンコクの愛人を日本に連れて行った事に気づいた。嫁は烈火の如く怒りだした。
「お前が外で遊んでも良いと言ったんじゃん」
と言うと嫁は、言ったけど本気になるなとも言った。囲ったり、日本に連れて行くのはやりすぎだと言って来た。
ごもっとも。
嫁が裁判すると言うのでやめてくれと言うと…嫁はベルをここに連れて来いと言う。(続く)
この記事を書いた人
トランプ店長
群馬県生まれ。青森県育ち。
昼はVISAコンサルタント会社。夜はカラオケクラブ「ときめきトンロー物語」。スナックバー「トランプ」を経営。見た目は怖いが本当は優しいナイスガイ。外見は男だが、中身は…レズビアン。
趣味はゴルフ、読書、語学勉強。女性大好き。乳首は吸うが煙草は吸わない。
昼の仕事ではお客様と4時間話し込んで嫁に4時間も何の話しているのかと訝しがられる。
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