東北部ルーイ県でただ一つだけの置屋を見つけた感動の翌日、僕は朝早くからレンタカーを走らせていた。
まずはラオスとの国境となるルーイ県最北端チェンカーンの街へ。
その後、隣接するノンブアランプー県へ足を伸ばしあわよくばコーンケーン県までたどり着くのがこの日の目標だった。
コーンケーンにはマッサージパーラー(MP)が数軒あるのは承知していたけど未知の県ノンブアランプーに置屋や娯楽施設があるのかどうかは全く不明だった。
タイ人に大人気の街を観光する!
チェンカーンは古いメコン川沿いの街。
街全体が木目調の装いで統一されていて突然タイムスリップしてどこかの国の宿場町にでも迷い込んだ感覚になる。
こまめに手が加えられていて旧街道や現在のメイン通りに廃屋のようなものはほとんど見られない。
古い建物は丁寧に改築・修繕され新築する場合は従来の街並みに溶け込むように木目調のたたずまいとするのがこの地区のルールとなっていた。
訪れたのはタイの真夏4月の某日正午過ぎ。1年のうちでしかも一日で最も暑い時間帯だった。旧街道の通りはがらんとして、ホテルや土産物屋の扉は開いているものの、人気が全くない。
1軒だけ地元の若い客で賑わっていたカフェに立ち寄り聞いてみると
「この時期は1年で1番の酷暑だから毎日午後1時から4時は休憩をしているんですよ」と教えてくれた。
未知の県ノンブアランプー県へ出発
街並みを楽しみ少しだけ休憩も取ったことで次なる訪問地ノンブアランプーを目指すことにした。
若干の山道を経由した150キロ近い長旅だ。鉄道が通じていないことから街の中心部はバスターミナル辺りだろうと見当を付け後はスマートフォンのグーグル先生に道案内をお願いした。
実に単調な旅だった。見渡す限りの赤土と低い乾燥木の原野。その中を真直線の2車線道路が突き抜けていく。
繰り返される光景に迷路にでも陥ったのかと錯覚したほどだ。「あれこの場所何回目だ」
そんなことが何度もあった。
途中ルーイ県からノンブアランプー県に入ったところの山の中腹にエラワン洞窟というのがあるんだとグーグル先生が教えてくれた。
後で分かったことだけどエラワンとは3つの頭を持つ象の神様のこと。山全体が信仰の対象で麓から洞窟まで長い階段を上らなければならない。
クタクタになって参拝を済ませ先を急ぐとバスターミナルに到着したのは夕方6時を回ろうというところだった。
ところがである。県下最大の交通拠点だというのに周囲にはホテルも食堂も何もない。
わずかに1店舗だけ屋根に「SASAKI」と書いた店があったので「すわっ、日本人か」と思って中を見たけど何の関係もないタイ人の甘味店だった。
紛らわしい。僕は再びグーグル先生に相談した。すると「コーンケーンまで120キロ」と仰るではないか。
単調な田舎道に飽き、ネオンの明かりが欲しかった僕。あと2時間頑張って運転することにしたんだ。
寂れた街からネオンを求めて大移動
日はすっかりと地平の向こうに落ちてしまっていた。
次々と忍び寄る峠の山道は街灯もなく真っ暗だった。時折トラックに煽られながらも僕はお姉ちゃんの温もりを欲していた。
ルーイ県の置屋で味わった快楽の残り香はすでにどこかに吹っ飛んでしまっていた。
貯水池脇の最後の小峠を過ぎると間もなくコーンケーンの街だとグーグル先生が機械じみた声で教えてくれた。
次の曲がり角を左へそして右へ。国道2号線だ。中部サラブリーから東北部ノーンカイまで続くタイの主要な幹線道路。
僕はそれだけですっかり安堵することができた。
グーグル先生のお次はアゴダ先生で宿を検索した。あるあるある。
ノンブアランプーでは1軒しか表示されなかったのがここでは何十軒も出てくる。
その中で僕は比較的安価で女の子と遊べる広めのホテルを選んだ。洒落た英数字二文字の宿だった。
チェックインを済ませバービア街へ
チェックインを済ませてシャワーを浴び早速夜の街へ。
一にも二もなく僕はお姉ちゃんの温もりが味わえる場所を徘徊した。あるじゃないの老舗ホテルKOSAにほど近いバービア街。
ファラン(西洋人)の爺さんたちが所々でくだを巻いていたけどそんなこと知ったこっちゃない。
僕はそのうちの1軒の店先で好みの子を見つけ早速ビールを注文すると横に呼んだ。
地元コーンケーン出身のスレンダー31歳。見た目よりも若く見えた彼女は、10歳になる娘がいるという。
「だから今日は外泊はできないの」
そう甘い声で言われちゃあひとたまりもない。「じゃあ明日来るよ」
と機嫌を良くして店を出た僕だったが「ん?子供がいるんじゃ明日だってだめじゃないか」と察するまで少しだけ時間を要した。
それくらい僕は高揚していた。
しかも300キロ近い道のりを1人で運転してきたこともあって身体はすっかり疲れていた。待望のお姉ちゃん遊びは翌日に持ち越すことにした。
コーンケン2日目 MP巡りスタート
コーンケーンでの2日目が始まった。
午後3時ごろまでゆっくりと域内観光をした後、待ちに待ったMP巡りをスタートさせた。
まずは宿からほど近い老舗店の「シーザー」へ。入店した時、雛壇には7、8人の女の子が座っていた。
真っ赤なドレス、黒のタイト、ピンクのワンピース。僕の気持ちはすっかり高ぶってきた。
中には女の子たちの「お母さん」のような人もいたけど半分くらいは行けそうだ。
そんなことを思いながらビールを飲んでいると、あらあらあら…。
1人、2人と目を付けたはずの女の子が別の客と部屋へ入っていくではないか。まっ、いいか。僕は次の店を目指した。
2店目はコーンケーンでも高い評判の通称「コサ・マッサージ」へ。
老舗高級ホテルKOSAに隣接する建物がそうだが看板がないのでボーイに確認するといい。
正式名称はタイ語で「クラウン」というが「コサ」で十分通じる。
扉を開けて中に入ると女の子はサイドラインに2人しかいなかった。
でもいずれも超べっぴんのスタイルも抜群だ。「こりゃあ、期待できるぞ」とビールを注文してしばらく様子を見ることにした。
案の定しばらく経つとチラホラと出勤したり部屋から上がってくる子も。いーじゃない、いーじゃない、いーじゃない。
バンコクで名の知れた高級MPにも引けを取らない上玉の顔ぶれ。タマダーでも十分だ。
僕は唸る欲求を抑えつつ、ひとまず様子を見るため、ここからすぐ近くの別の店を覗いてみることにした。
お次はチャルンタニーホテル内にある「リリー・マッサージ」
ここに立ち寄ろうと思ったのにはある理由があった。すでに紹介しているように僕には絶対的な殿上人の師匠がいる。
置屋、MP、バービアなどその道にかけてはどんな著名な人も霞んで見えるほどの存在だ。
その師匠から今回の旅の出発前こんなことを言われていたんだ。
「コーンケーンにあるリリー・マッサージの雛壇の端っこのほうには一見してそれらしくないお姉ちゃんが座っています。彼女たちはマッサージ嬢。とてもマッサージが上手いんです。さらにですねスペシャルもあって、総額でも時間的にも断然お得なんです」
こう聞かされていたのでは立ち寄って確認しないわけにはいかない。
雛壇にはちょっと選び難い顔ぶれもいたけど僕は中央近くに座っていたマッサージ嬢の5、6人の中から好みのタイプの茶髪のお姉さんを選ぶと師匠の〝お告げ〟を実行に移すことにした。マッサージ2時間で400バーツ。
タイ人熟女と対戦 天にも昇る快感!
お姉さんはスコータイ出身の42歳。
でもね見る限りは30代そこそこ。スレンダーでスタイルや容姿も悪くない。
12歳の息子がいて前夫と離婚後、美容師をしていたんだけど収入が少なくてこの道に入ったっていうんだ。
マッサージと言ってもMP施設内だからプレイ用のベッドでしてくれる。技術や内容は文句なしの本物のタイ古式マッサージ。
みっちり1時間半が終わったところで「する?」と尋ねられプラス1100バーツと聞かされた。
100の端数はプレイ後の部屋を清掃する家政婦(メーバーン)へのチップ代なのだとか。
結果、総額は1500バーツでMP嬢の1600バーツ(90分)よりも確かに安い。師匠の偉大さをここでも思い知った。
あちらのほうも全く問題はなかった。
僕はすっかり満足するともう100バーツ添えて彼女に渡した。
また連絡を取りたいなあと思っていると彼女のほうから「LINEのIDある?」とあった。
喜んで交換して店を後にした。まだ時間は午前零時前だったが今日はこれで十分だと思って宿を目指した。
コーンケン最終日 熟女との再戦へと
最終日。朝から車で観光を済ませ「函館」とかいうタイ人経営の日本食店で遅い昼食を取っているとLINE電話のベル音が鳴った。
昨日のマッサージの彼女だ。出てみると「今日も会いたいの」と甘い声。バンコク戻りの飛行機が19時だったので時間はまだタップリある。
念のため「1時間半でもいいかい?」と聞くと、「大丈夫!」と喜ぶ声が印象的だった。
プレイは昨日と遜色なかった。もちろんマッサージも最高だった。終わった後にくつろいでいると彼女の方から話しかけてきた。
「来月、用事があってバンコクに行くのだけど、会える?」
一にも二にもなく「OK」って返答したよ。
最後のMPと怪しい床屋!真相は?
リリー・マッサージを出た後はもう一軒あるというMPを巡って空港に向かうことにした。
少し離れたところにある「バニラ・マッサージ」
建物はかなり古く館内も所々でひび割れがしていた。コーンケーン最安値の老舗MPだが残念なことに雛壇から選ぶことはできなかった。
コサやリリーを知ってしまうとここで遊ぶのはかなり難しいと思った。
建物を出たところでふと通路の向こうに怪しげな床屋があるのに気づいた。「なっ、何だここ!」
しばらく見ていると個室の扉が開き中でお姉さんが掃除をしている。「ここ、置屋なんだ!」
驚いた。ベトナムなんかではよく見るけどコーンケーンにも床屋置屋が存在していた。
後日、師匠に尋ねたところ、「ああ、そうですよ。言いませんでしたっけ」とのそっけない返事。
ただこの日はもう余裕がなく突撃する時間もなかった。
少しだけ残念な思いをしながらも僕は空港に向かった。
チェックインの時間が迫っていた。ルーイ県唯一の置屋、コーンケーンの高級で安価なMP、マッサージ嬢とのスペシャル。
どれを取っても満足のいく内容ばかりだった。機会があったらもう少しゆっくりとしたスケジュールで訪ねてみたいと思った。