ep.1 上手く突破しよう!タイ初期バリヤ時代【前編】
タイになぜ来たのかよく聞かれる。
それは…ご多分に漏れずという感じではあるが…
日本で何か商売をしようと思っていたが、なかなか金が貯まらなかった。
人材派遣が増え、賃金が下がってアルバイトしていても楽しくなくなった。
そう考えていると、ふとタイで現地採用として働いている知り合いを思い出した。
「彼も働いているのだからタイで働いてみようかな?」
よく数か月働いてお金を貯めてタイに旅行に来ていたが、日本に帰るとすぐ…皆さんと同じようにタイに戻りたくなってしまうのだ。
日本で嫌なことがあるとすぐタイに行きたくなった。
が、タイに行くためのお金を貯めるために日本の社会の底辺で働くのはつらかった。
それであれば旅費を考えるとタイで現地採用として働いた方が、たとえ手取りが安くともよくないだろうか?
そう考えるようになった。
そしてなぜか夢の知らせのように自分の夢が
タイに行け!タイに行け!
と言ってる気がする。同じ夢を毎日見るのだ。その夢は…
私はいつの間にか熱帯の低木が生い茂った蒸し暑い湿原を歩いている。
私の夢の中ではそこはすでにタイだ。
足元の水たまりの水はなぜか7色に光っていた。
皆さんはパチンコやスロットが好きだろうか。
七色虹色ができたら大当たり確定である。
そして七色の浅い沼を抜けるとヨットで海に行ったりと…冒険が始まるのである。
私なりに夢を解釈すると、タイに行くと財政運が急上昇して幸せになれるよ!と言っているみたいなのだ。
私はその夢を信じてタイでの暮らしに踏み出すことにした。
少しネタ晴らしすると今となってはあの夢は正夢であった。
が、タイに来た当初はお金が少なかったので、この世の現実にヒシヒシと気づくことになった。
まず、その時の所持金は3万バーツ無かった。
10万円に満たないお金で来てしまった。無謀であっただろう。おすすめはしない。
でも、それでも出来る人は出来るし、出来無い人は出来ないと言うことであろう。
この金でゲストハウスを借り仕事を探した。
ラッキーなことに国境ビザランの会社にすぐに内定が決まった。
というのもそこの社長が「給料いくらほしい?」と聞いてきたので…
25,000は最低でも…と言ってみたら
「えっ?採用!」と社長は言った。
多分5万バーツ欲しいと言ってたら断られてたと思う。
その時、韓国女性が5万バーツで働いていて悔しい気もしたが、あの会社にもう一人5万バーツで雇う能力はなかっただろう。
手持ち資金もショートしようとしていたし、初任給がいくらであろうと仕事を頑張れば世の中の社長は金をくれるものである。
少なくとも今までの自分の社長たちはそうであった。
また日本に戻らなくてよかった安堵の下にタイで生活を始める。
が、月給25,000バーツというのは、思った以上にきつかった。
まず富士スーパーで手あたり次第カゴに積み込めない。
家賃が5,000バーツ、12,000バーツが風俗費である。
低賃金でも毎日ゴーゴーバーに通っていた。
ゴーゴーバーはドリンク一杯分180バーツあれば女のケツ見放題というありがたい場所と言う他ないが、
女の子にドリンクおごってと言われてもそうポイポイおごれないので、
女の子たちにあの客は細客だと評判になりあまり相手にされなくなった。
そのうちボーイにも「早く帰ってオナニーして寝ろ」と言われるようになる。
資本主義の現実である。ノーマネー、ノーハニーである。
やはり金を稼がないといけないなぁと思い始めた。
日本帰ろうかな?でも日本でまた底辺の仕事をするのは辛いよ。
そうだタイで自分で商売しようとマインドが変わって行った。
そんな中でもメイちゃんという子は私になついてくれた。
チェンマイ出身のかわいい子だった。
日本にも居そうな甘い顔だちの美人であった。
が、なかなか彼女の要求を叶えてあげる事が出来なかった。
彼女は田舎へ帰って行った。
もうタイに来て5ヵ月が過ぎようとしていた。
タイのビザ政策が大きく変わり低資本でビザ屋で独立しようとなった。
右から左に流す仕事を見つけると資本は少しで良い。
ペナンのビザツアーを開始したのだが、需要があり最初の1ヵ月目から黒字であった。
ゴーゴーバーでも羽振りが良くなった。
すると、従業員や女の子まで手のひらを返して来た。
仲の悪かった娘まで仲直りしようと言ってくる。
「帰ってオナニーして寝ろ」と言ったボーイはバツが悪そうだ。
そいつがガリガリに痩せているので「何で痩せているの?」と聞くと、適当に返事をしてくるが必死に何かを耐えているような表情。
すると…周りの連中が
「今コイツにガキが出来て金掛かって自分のメシが食えないんだ。イジメるなよ」
と助け船を出して来た。
知ってて意趣返しで聞いた訳では無いが奴には効いたらしい。
メイちゃんも私が羽振りが良くなったと聞いて、チェンマイから文字通り飛んで帰って来た。
彼女とは同棲することになった。
だが彼女は…(続く)
この記事を書いた人
トランプ店長
群馬県生まれ。青森県育ち。
昼はVISAコンサルタント会社。夜はカラオケクラブ「ときめきトンロー物語」。スナックバー「トランプ」を経営。見た目は怖いが本当は優しいナイスガイ。外見は男だが、中身は…レズビアン。
趣味はゴルフ、読書、語学勉強。女性大好き。乳首は吸うが煙草は吸わない。
昼の仕事ではお客様と4時間話し込んで嫁に4時間も何の話しているのかと訝しがられる。
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