第36話:半同棲11日目、ついに婚約した。が…

ママの仲介でも和解ならず…

午前7時、彼女の電話が鳴った。…彼女は起きない。
午前8時、午前9時、…結局、午前11時頃、飛び起きママに電話をした。
朝の仕事には行かれず…午後ママがやって来て話が始まった。今まで彼女に伝わらなかった事もすべて理解してくれた様だった。
が、肝心の僕の要望が彼女はなかなかOKしない。エッチは嫌いだと言い張る。ママが帰った後も、ずっと話し合った。
また男の話になってしまいお互い行き詰まった。彼女はとても気が強くそして本心を見せない。
いつも、あなたはいっぱい考えて、いっぱい話すから煩わしくなる、と言った。
そして最後は逆ギレだ。原因はおまえだろう?と言いたかったが、必死に抑えた。
彼女が逆ギレをしたら2人の関係は終わりだ。

>私はファミリーが一番大切
>ママの事を聞いてくれないなら、もう、いい、あなたとは終わり。

急に化粧を始めた。ここ数日で一番きれいな化粧をした。いまから働きに行くから…そう言う彼女に僕は怒鳴った。

<わからない奴め、お前との事がきちんとしてくれれば、
<僕はこうやってママを助ける為にお金の用意もして来たのに…

彼女は、はなから僕が助ける気はないものと思っていた様だ。

>助けてくれるの?
<これからは僕を拒否しない?
>うん
<僕と結婚は?
>したい、いつでも
<ママを呼んで
>うん

ママに来てもらい、もう一度彼女の口から伝えて貰った。
ママの旦那と娘も来たので、めでたしめでたしムード? 事実上婚約が成立だ。
喧嘩したのでお互い空腹だ。で、皆でムーカタを食べに行った。あなたはもうファミリー。
そう言う彼女の言葉は、嬉しいような、不安なような…、結局、僕はお金でこのファミリーの気持ちを掴んだ感じだった。
そう言えばあのラン島早帰りのシスターもファミリーになるんだ… 彼女からママにお金を渡して貰った。
このお金は結納金の一部として頂きます、との事。金額は10万バーツだ。
結納金の前借?そんな事もタイでは普通なのか?
1発10万バーツ?店で遊んだら、何発分?って風俗遊び人の考える事か

お金でコロッと変わる彼女の態度

ママ達が帰った後、彼女からお誘いがあった。これは意外だった。お金を渡したら、こうも簡単に態度が変わるのか?
ちと、不可解に感じた。エッチは相変わらずマグロだった。それでも珍しく薬無しでビンビンだった。
そして久々に逝けた。それも1分で…この一発だけでも僕にとっては助けたお金の価値はあった。
その後、急にラブラブモードになり、いちゃいちゃだった。いままで悩んでいたのが嘘みたいだ。
結局、お金で買ったラブラブモード? その後、2人でオイルマッサージに行った。
彼女はお店の人に、彼はダーリンだからカーテンで仕切らなくてもいい、と言った。手を繋いでのマッサージだった。
終わってからマッサージ店の隣のカフェバーで少しまったりした。
部屋に戻ると、ラブラブムードは続き、いちゃいちゃが続いた。

連れ出した女の子と数日過ごす。彼女になって数日過ごす。
半同棲で数日過ごす。結婚して数日過ごす。例え、同じ数日過ごすのでも、かなり違う様だ。
いまの彼女は、その課程に於いて随分違って来た。ネコ被ってた連れ出しの頃と今では、ある部分では別人。
それでも気持ちが、好→愛→情、と進むにつれ離れられなくなるのが恐ろしい。

そんなラブラブムードは長くは続かない

彼女はまだ20歳。遊びたい盛りだ。その辺は多めに見ないと可哀想かも。
2人でバラエティー番組を見つつ笑い転げていると、彼女の電話が鳴りだした。
久々に話した女友達で今日は誕生日パーティーをやっていると言う。
いま彼と一緒だからと断った。お、やはり僕と一緒に居たいのか?内心ニヤリ…が、こう言いだした。

>ねぇ、ダーリン、今日は、友達の誕生日パーティーだから、少しだけ行って来ていい?

甘える様に言う彼女は、まるで今日はあなたはもう満足でしょ?
と、言わんばかりだ。確かに…じゃ少しの時間だけだよ?、と許した。
午後11時、彼女はウキウキ顔で出て行った。1週間の何度かは飲み歩く様だが、働かせてないのでこれも生活費から出るのか?
彼女はいつも1人乗りのバイクでノーヘルで運転だ。酔っ払って転けた事もあるらしい。
危ないからと言っても聞かない。確か前回あげたお金は、ファミリーに使ってしまったとか…
お金も持たずに、と思うが仲間が奢ってくれると言う。
友達は女だし男はあなただけ、と言う。それなら安心か?

前の話を読む<<
>>次の話を読む