第19話:日本に行ってしまったタイ娘の救出劇 さてどう救うか?

無邪気な彼女は常にマイペンライ?

※意外とノー天気な彼女は まるで不安を隠すかの様におどけて見せた
彼女を連れて、ホテルに行った。部屋に入ると、タバコが吸いたいと、部屋の窓を開けた。
そのホテルの窓は腰より下の位置で、乗り出したら落ちてしまいそうだった。
それなのに彼女は酔っぱらっているせいか、身を乗り出してはしゃぐ…僕は怖くなって後ろから抱きかかえ、お願いだから止めて!、と叫んでしまった。
まじ、怖かった。もし、彼女が落ちてしまったら…僕も後を追いかけてしまったかも知れない… 

いまの彼女の存在は、僕にとってもっとも大切な人になっていた。
きっと自分の命と引き換えに彼女を救う事も出来るのでは?そのくらい大切な彼女だった。

ただ、まだ若い彼女は遊びたい年頃。行動はまったく読めないが、何処へ行っても、必ず自分の元へ帰って来る、そう信じられる様になって来た?
だいぶ酔っぱらいの彼女はシャワーから出るとベッドにごろり。そしていつもベッドの端っこで向うをむいて寝てしまった。
僕はシャワーを浴びて、そっと寄り添った。いつもの事ながら、広めのベッドは半分以上空いている。
背中から見る彼女の寝姿、ずっとこの子を守ってあげたい、そのまま2人とも夢の世界へ…

実は、日本に来る前に、インドネシアで寂しい病気を貰ってしまった様なのだ。ムスコに違和感がある。
だから、今回の訪日では、エッチは出来そうに無い。せっかく日本に来たのに、日本娘を抱けないのは、実に惜しい。
彼女を連れ帰れたら、真っ先に体を求めたい。それまでエッチは自粛だ。

シスターの彼氏と合流 まずは彼女達の現状確認だ

午前11時、ホテルをチェックアウトし、先に会っていたシスターとTさんと、合流した。
写真では見た事のある顔だったが、実際悪い人ではなさそうだ。とりあえず長居の出来そうな店に入り、食事をした。
さて、どうしようか… 彼女達の帰りたい気持ちは固まっている様だ。いま考えられるのは、大元のタイのポスと話をする事だ。
僕は彼女にお金が必要だったら出すから、と伝えた。Tさんもシスターとは長い付き合いらしく、とても心配していた。
そんな姿を見つつ、シスターのタイ彼と同棲している事を知る僕には、何とも声を掛けずらい。
僕は、シスターからは絶対に内緒と釘をさされていたのだ。Tさんも出来る限りは出したいと言うが、救出して帰る所はタイ彼の元。何だか可哀そうな気がした。
分かる人ならいいのだが

そして、ボスとの交渉は解決した

彼女はタイのボスに電話した。長い電話が続いた。
日本に来たら3ヶ月の約束の筈が、1年、2年になってしまうと言われた事。そしていま彼氏が来てくれた事。
もう、帰りたいと、切々に訴えていた。途中、店のママさんから電話があり、Tさんの連れ出し料金を払えと催促があった。
朝から翌日の夜まで5万円だそうだ。日本の風俗を考えれば、かなり安いと思う。
彼女が再びタイのボスへ電話をすると、見る見る間に表情が変わって行った。

え!!

彼女のこんなに嬉しそうな顔を見るのは初めてだった。
※これで帰れる、彼女は嬉しさを隠しきれなかった

話が違う事を、タイのボスに切々と訴え、お金が必要であれば、払ってくれる人がいると伝えた事で、日本のボスとの話が付いた様だった。
彼女達の日本に来てから稼いだお金はすべて日本のボスが受け取る。もちろん僕やTさんの払った連れ出し料もボスへ。
そして、往復の航空券は日程変更と手数料含め支払って貰う、と。喜ぶ彼女はその時点で当然の様に僕がお金を出してくれると思ったのだろう。
僕は彼女が喜ぶなら、出来る限りの事をしてあげたいと思う。
僕は200万円要求されると観念していたので、内心ホッとした。

その後、彼女たちのすぐに帰りたいとの希望で、金額を支払うよう言われた。
タイ航空の787機だ。往復12万円×2人分だ。僕はエアアジアのクアラルンプル経由のチケットを1年前に、1万8千円で入手したものだが… 
翌々日から一泊2日でディズニーランドに行こうと彼女と約束していたのだが、それより帰りたい気持ちの方が強い様だった。
あっけなく、帰れる事になった彼女達。
彼女達の喜びを見ていると、どれだけ辛い日々を送ったのか、わかる気がした。

そしていよいよ救出の為の手続きが始まった

店を出て、ATMに向かった。僕もTさんも、複雑な気持ちで、ATMで金額を打ち込んだ。
よくタイに居るオキニに送金する日本人の話を聞くが、本人を目の前にしてこんな事をするとは…僕はほとんど収入が無いので、残高は減る一方だ。
でも彼女と楽しめるのは、今を逃したら… そんな気持ちもあり、全然惜しく無かった。Tさんも、同じ気持ちかも知れない。
好きな人に対する気持ちって、こういう時で無いと表せないから…

つづく。

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