第39話:半同棲14日目、実家のコラートでの出来事

夜空の下でバレンタイン そしてコラートへ到着

やむおえず、子供を親に預けるタイ娘はとても多い。
そしてそう言うタイ娘は家族を支える為に一番手っ取り早い体を売る仕事に。いったいその子供の父親はいまどこに?なんで同じ境遇のタイ娘がこんなにも多いのか?
やり逃げだったら許せない。日にちが変わったのはトラックの荷台だった。ハッピーバレンタイン!いろいろな人からメッセージが飛び込んだ。
僕は時が変わって最初に彼女にメッセージを送った。翌朝7時に起きるとか言ってたがあいにくの雨で昼まで寝る事に…いちゃいちゃしていたが彼女はどうも乗り気では無さそうだ。
起きてから外を眺めるとこの辺り一帯は避暑地の様でタイ人がバカンスを楽しむ場所らしい。コテージの周りは何もない。ただ犬がうろうろと…それにしてもお腹が空いたなぁ…
そう言えばコラートでスープヌードル作ってくれるって言ってたけど…ファミリーの姿は見えない。もうどこかへ出かけた様だ。
彼女は電話をするともうすぐママが迎えに来るからと言う。いったい何処へ連れて行かれるのか?もしかしておばあちゃんの所へ行き、何かある?期待と不安が入り混じって…

やっとありつけたヌードルスープの味は格別だった

ママが迎えに来て、昨日彼女が言っていた、”明日、ここに来るよ”、という場所に連れて行かれた。
どうやらイベント会場の様で出店が立ち並びゲームコーナーや簡易遊園地まであった。そしてそこにはファミリーが居た。
おばあちゃんがクイッティオなどの出店を出していてファミリーで手伝う様だ。
彼女は僕に、ちょっと待ってて、と言うと出店の中でクイッティオを手際よく作り僕の目の前に差出し、はい、ヌードルスープ召し上がれ、と言った。
なるほど彼女がコラートに着いたら作ってくれると言っていたのはこの事だったのだ。具が大盛りのところに愛情を感じた。こんな些細な事でも喜んでしまう自分。
しかし彼女がこんな事を出来るとは…子供の頃から手伝っていたそうだ。彼女の手料理を初めて食べた。それはとてもとても美味しかった。
そう伝えると彼女はさらにもう一杯作ってくれた。ビーフがたっぷり。あまりに山盛りなので少し彼女に分けようとしたら、私はビーフは食べない…そうだった…ついつい忘れていた。彼女も仏教徒だから。

意外や料理上手な彼女は手際良く僕の食事を作ってくれた

その後、彼女は忙しそうに店を手伝った。僕は子供達のお相手だ。2歳の娘はとてもよく僕になついている。

でも父親の事を聞いた事は無い。知らない方がいい事もあると思う。本当は気になるが娘の顔がどうも日本人っぽくて…
もしかしたら?子供は好きだがあくまで妻がいる上で子供だ。妻への愛無しには子供愛せないかも知れない。

道路の向かいではフラワーフェスティバルが行われていてとても奇麗な花畑が一面に広がっていた。バレンタインの記念に彼女と写真を撮りたかったが店が絶えず混んでいて…

そうこうしているうちに夜になってしまった。夕食もファミリーはここの店で食べる。彼女は何が食べたいかと聞いて来た。

何が作れる?と聞くとなんと40種類作れるとか。そう言えば包丁さばきもうまくて家庭に入って料理したら…なんて考えるが普通の家庭では台所も無いしそういう姿を見る事は無いのか?

子供と遊ぶ彼女は、母親の顔になっていた。

期待していたバレンタインデーのラブラブお預け…

退屈な時間が過ぎ午後11時やっと店じまいだ。さっと片付け終わるとまたトラックでコテージまで戻った。
今日はバレンタインデーだ。2人で愛を語り合い好きな人を抱く…え?、残念ながらそんな事はなかった。と言うのもコテージに入ろうとした時、子供が入って来たのだ。
私に似ているでしょう?彼女はそう言うと子供を抱っこして寝てしまった。唖然とした。ラブラブを想像していたのに、見事にひっくり返されてしまった感じだった。
僕は彼女に背を向けて寝た。とても悲しかった。この男の子もまた日本人顔しる。なんだかやるせない気持ちだ。

前の話を読む<<
>>次の話を読む