世界銀行の発表によるとバンコクは以前から気候変動による自然災害対策を進めているが、開発の遅れや計画ズレなどの影響で今後10年ほどで部分的に浸水する可能性があるという。
とくに中心部の地盤沈下は深刻で2030年頃には都市全体の40%が浸水被害を受けると指摘。
地下水の過剰な揚水などが原因のために地盤沈下が多く、年間で1~2cmはごく当たり前だ。東京では年間に1cmも沈下する地域はなく、バンコクは異常なレベルと言ってもいい。
専門家によると「近い将来再び大規模な洪水が起きる可能性がある」と語っている。
海抜1.5メートルの湿地帯にあるバンコクは街のといたるところでタイルが剥がれているのを目にする。これは大雨などの影響で地盤沈下が発生しているのが原因。
このような不安定な環境下の中で無計画な都市開発が拍車をかけ地下の排水路にも大きな影響を及ぼしているとのこと。
またタイの風俗店が客の「入浴用水」に地下水をくみ上げていた疑いが浮上し、こういった違法な水のくみ上げが地盤沈下の一因となっていると指摘されており警察が大規模な取り締まりを進めている。
専門家らは、主に海面上昇と地下水のくみ上げという要因により、バンコクの一部地域が2030年までに浸水する恐れがあると警鐘を鳴らしている。
違法な地下水のくみ上げは、バンコクが急速に発展した数十年前に爆発的に増加。ただ近年は、地下水の使用を規制する取り組みが奏功し、ピーク時の1970年代後半には年10センチ前後だった地盤沈下のペースが劇的に鈍化した。
地域によっては数十センチも地盤沈下が起こり、建造物自体が大きく破損したこともあるという。これらの現状をタイ政府はもっと真摯に受けとめるべきという声も多い。
2017年バンコクの2階建てアパートが地盤沈下で約1メートルほど沈み込み、壁の一部が壊れるなどした。アパートは20室で事故当時室内にいた約50人は全員屋外に避難した。
脱出の際に、男性2人がコンクリートの破片で軽いけがをした。バンコク首都圏ではこういった地盤沈下が度々おき、幹線道路が陥没したり、住宅が壊れるなどの被害が出ている。
英BBC放送が8月13日、世界で最も早く水没する都市としてインドネシアの首都ジャカルタをとりあげて、2050年までに水没する危機に瀕していると報道したもよう。
2050年ってあと30年ほど! 思っているよりわりとすぐ!
ジャカルタ市内あちこちでいまだに続く個人や企業による違法な地下水の汲み上げが地盤沈下の主な一因で、このまま放置してなんら対策を講じない場合にはジャカルタのほぼ全域が水没する事態になる、と警告を発している。
ジャカルタの水没には実は2つの要素が密接に関連している。地下水を違法汲み上げした結果としての地盤沈下と、地球温暖化による世界的な海水面の上昇である。
ジャカルタでも地下水の違法汲み上げ!が原因の一つと考えられているらしい!