第15話:彼女が遠くの存在に・・・

>「またこんなことをしたら、もう終わりだよ?」
>「もうしない」
>電話口で泣きそうな声が聞こえた。

「後でアパートまで行くよ」
「ずっと部屋で待っている」
 
やけに素直だった。

夜、ウォーキングストリートを何店も廻り、皆のお相手が決まった。僕は意を決して彼女に連絡をした。どうせ誰かと遊んでいるか、飲んでいるか… しかし、待っていると言っていたのは本当だった。

「もしもし、いまどこ?」
「部屋で待ってる、あなたはどこ?」
「ウォーキングストリートのワッツアップだけど… 来る?」
「うん、10分で行く」

彼女の10分は、時として2時間にも相当する。どうせ遅れて来るだろうと待っていると、本当に10分で来た。
本当に待って居たんだ、そう思うと嬉しくなった。そして再会だ。彼女の潤んだ瞳には、いまにも涙がこぼれ落ちそうだった。
僕は、路上であるにもかかわらず、固く抱きしめた。彼女も安心したように身を任せていた。
すべてはクリアかな?いつもは僕から言う、あいらぶゆー、彼女の口から先に出た。2人の距離は一気に縮まった。

>私を信じて!、あなただけを愛してる、
信じるしか無いでしょう。
※「WHAT’S UP?」看板に問い詰められ、いや別にと答える自分が居た

3人のゴーゴー嬢の会話

6人でムーガタ・チムチュムのお店で食事をした時の事。なんだか3人の各店の女の子の会話だが、幾らもらっている?なんて言葉に耳を傾けていた。
Kくんから、あの時、僕はカスタマーと呼ばれていたとか… 
後日、問いただすと、皆の店でのロングの金額を教えあっていただけで、彼女は、私はカスタマーから幾ら、と答えただけ、あなたの事をカスタマーと言って無い、と弁解していた。この日、ノーチップでも一緒にいたい、と言う彼女をホテルに連れて来た。いつも超マグロの彼女だが、珍しく抱き付いて来た。
そして、いつもは寝る時もくるっと後ろ向きになるのだが、この日の彼女は僕の腕枕でスヤスヤと寝ていた。
あ~ぁ、ますます彼女にハマったなぁ

彼女が遠くの存在に・・・

その後、バンコクに戻り、Nさんとインドネシアの旅に出た。
その間に、まさかの展開になるとは、誰が予想していただろうか?なんでぇ???
彼女との距離が一気に遠ざかる事が起きてしまったのだ。

好き同士なのに、離れ離れになるのは、どういう事?
死ぬまで一緒と誓ったのに、なぜ?、あなたは僕を置いて去っていくのか?
愛があれば、離れていたって、、、いまの僕達に、それだけの強い信頼があるのだろうか?
、、、ずっと愛してるから。

彼女との会話はしばらく無く、どちらもマイペースな日々を過ごしている筈だった。
が、、、Nさんのアテンドで一路ジャカルタに向けて出発の日だった。準備をしていると、彼女からメッセージが入った。
なぜか、こんなメッセージやスタンプが頻繁に届いた。

『How aer you today』
『Jup jup』
『I miss u』

いつもに増して、届くメッセージは、まるで何かを物語っているかの様だった。
なにか不吉な予感がした。彼女に聞いても答えない。彼女の性格からして、問題が起きた時、なんとか自分で対処しようとする所がある。
数日経ったある日、メッセージは突然やって来た。唖然とした・・・

『11-12 i go japan ok see u 3 month』

何?japanって…

『I no forget u』
『See u japan』

悲劇は突然始まった。なぜ、彼女は日本に?なぜ、そんな事を相談しない?
日本に行ったら、会える?

『I don’t know when i stay in japan i tell u』

何を聞いても、解らない、と言う。
やっぱりやめた…なんて言ってくれるのを待ち続け、インドネシアの旅は終盤を迎えた。

※頻繁に送ってくる2人の写真はまるで、2人の仲を確認するかの様だった

つづく。

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