江戸時代の遊郭・吉原にて使われていた言葉「ありんす」
「あります」「〇〇です」という意味で使われていたが何故、吉原の遊女たちは「ありんす」という言葉を使っていたのか?
遊廓(ゆうかく)
公許の遊女屋(女郎屋)を集め、周囲を塀や堀などで囲った区画のこと。遊郭とも。
大坂の新町遊廓、京都の島原遊廓、江戸の吉原遊廓は、三大遊廓と呼ばれて大いに栄えた。
「ありんす」とは「あります」「〇〇です」という意味です。
主に江戸時代の遊郭・吉原にて使われていた言葉で「ありんす言葉」や「花魁言葉(おいらんことば)」
「廓言葉(くるわことば)」「里言葉(さとことば)」「遊里語」などとも呼ばれます。
ちなみに「花魁」とは江戸の吉原における上級の遊女のこと。
「花魁」といえば、華やかな衣装に身を包み、見習いの遊女を引き連れて練り歩く「花魁道中」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
さくらんという映画でも有名なシーンですよね。
遊女の中でも最上級ともいえる「花魁」と一夜を共にするのは非常にお金のかかるものであったそうですが
だからこそ男性にとっては憧れの存在でもあったようです。
今の価格で言うと数十万ほどの料金なので、なかなか高いのではないでしょうか。
なぜ吉原の遊女たちは「ありんす」という言葉を使っていたのでしょうか?
その理由は遊女たちの出身地を隠すためだったと言われています。
当時の遊女たちは都会出身の者だけではなく、田舎から出てきた者も多かったそう。
しかし、遊女たちは男性に夢を売る職業でもあり、地方のなまりがあるとその幻想を壊してしまいます。
やっぱり高い料金を払うのだから、それなりのサービス、非日常感を味わいたいと思うのが男の性。
だけど方言などのなまりを直すのはなかなか難しいもの。
だったら遊女だけが使う特別な言葉を作ってしまえばいいじゃん!という逆転の発想で「ありんす言葉」を用いるようになったのだとか。
これにより出身がバレることなくサービスを提供できるし身バレの心配もないので遊女たちにはとても都合のいい事でした。
1.あがり
お寿司屋さんで聞く「あがり」。
「あがり」とはお客さんに出すお茶のことです。
遊郭ではお客さんのとれない遊女はお茶をひいて時間を持て余していたそう。
なので一人もお客さんが付かなかった遊女の事を「お茶ひいた」「お茶っぴき」などと表現します。
これは今の風俗のお店でも使われています。
お茶をひくことは人気がないことを意味するため縁起が悪いこととされていたのだとか。
そこでお茶のことを「上がり花」と表現するようになりそれがやがて「あがり」に変化したと言われています。
2.馴染み
「馴染み(なじみ)」には慣れ親しんだ人のことを指す意味があります。
遊郭で同じ遊女のもとに通いなれることも「馴染み」と言いました。
今で言うところの「本指名」というやつですねwww
江戸吉原などでは同じ遊女のもとへの3回遊んだら「馴染み」として特別の待遇をうけたそうです。
3回という事なので結構格式が高いというか、なかなかハードルが高いですね。