この度、タイ健康促進財団は、食品・飲料に対する「砂糖税※1」措置の実施後、タイ国民の砂糖消費量が1日あたり、小さじ27杯から小さじ23杯に減少。それに伴い砂糖を減らした飲料製品の市場が35%増加したことが明らかにされました。
※1:砂糖税とはタイで生活習慣病が深刻化したことをきっかけにタイ政府が2017年に導入した税金。100mlあたり6g以上の糖類を含む飲料が対象で、糖類の含有量によって課税率が高くなる。
本日(2024年2月12日)、健康増進財団のパイロット・サオヌアム博士は、タイでの非感染症疾患(NCDs)※2による死亡者数とタイ国民の砂糖摂取状況の関連について語った。
※2:非感染症疾患(NCDs)とは世界保健機関の定義で、不健康な食事や運動不足、喫煙、過度の飲酒、大気汚染などにより引き起こされる、がん・糖尿病・循環器疾患・呼吸器疾患・メンタルヘルスをはじめとする慢性疾患をまとめて総称したもの。
パイロット・サオヌアム博士「タイの年間死亡者数は40万人。その内、非感染症疾患(NCDs)による死亡者は77%を占め、このうち14%は早期に死亡しています。糖分の過剰摂取は、脳卒中、ガン、糖尿病、虚血性心疾患を引き起こす危険因子となります。身体の必要量を超える砂糖の摂取はほとんど飲み物から来ています。次いで、食品とデザートが続きます。人々と消費者の健康のために砂糖含有量を減らす飲料レシピの改善を企業家に働きかける必要がある。」と述べた。
砂糖などの糖類の摂取量について世界保健期間WHOが2015年に発表した指標によると、肥満や虫歯を予防するために、砂糖などの糖類を1日に摂取するカロリーの5%未満に抑えるべきだとされています。平均的な成人で1日およそティースプーン6杯分(25g)。日本の厚生労働省では、成人男性の場合、砂糖摂取量の1日の目標は8.0g、女性で7.0gに設定されています。
パイロット・サオヌアム博士「2017年に施行された「砂糖税」を推進した結果、糖類を減らした飲料製品の市場は35%増加。サトウキビおよび砂糖委員会のデータによると、2017年からタイ国民の砂糖の消費量が1日27杯から23杯に減少したことがわかりました。減少傾向にあるとはいえ、これは、WHOが推奨する1日6杯以下という基準値よりはまだ高いため、引き続き注視していく必要がある。」と述べた。
タイの飲み物や食べ物は日本人の口に合う物が多く、砂糖の含有量に気を配って購入することはなかったが、博士から発表されたデータを見ると、今後は何を買うにも気をつけて購入した方がいいと考えさせられた。みなさまも生活習慣病にはお気をつけください。
参照:Thai PBS