2021年タイのコロナ禍の現状とは!?

2019年末、中国・湖北省「武漢」を皮切りに世界中に拡散された新型コロナウィルス。この潜伏性の高いウィルスで全世界が感染症の危険にさらされたことで、ロックダウン、入国制限をする国が続出。人類が過去に経験したことがないパンデミックに陥った。

タイの新型コロナウィルス対策は2020年3月18日水曜日から始まった。タイ政府の通達により、まずは人が蜜になりやすい夜の歓楽街、風俗店の営業が停止された。

当初、期間は3月末までと通達されていたが、新型コロナウィルスの世界的蔓延が広がったためタイ政府も路線を変更し、新型コロナウィルス感染拡大防止の為に2020年3月26日0時に非常事態宣言を発令。

4月2日には夜間外出禁止令も発令。人が密になりやすい商業施設や学校、飲食店の店内での飲食、酒の販売などまでが禁止された。もちろん、歓楽街、風俗施設の営業停止も継続となった。

タイ全土で発令する非常事態宣言の説明をするプラユット首相(タイPBSの中継映像より)

この外出禁止令が功を奏し、4月、5月、6月と感染者は減少。段階的に施設の営業停止が解除されていく中、6月14日に外出禁止令が解除。

非常事態宣言は現在も解除されてはおらず、国外からのタイ入国も厳しい制限があり、実質鎖国状態のタイは2020年年末頃まで、このウィルスの封じ込めに非常に優秀な成果を上げていく。

とはいえ、国内の経済は他国同様にガタガタ。通りはシャッターが閉まった店であふれ返り、<For RENT>の張り紙がそこかしこで見られるようになる。

夜の歓楽街や風俗店もこのウィルスの直撃を受け瀕死の状態。東南アジアで一番大きな日本人街タニヤも例に漏れず、観光客がタイに入国できない現状、非常に厳しい経営を強いられており、ほぼ全てのお店が閉店。崩壊寸前の状態となっている。

現地在住の日本人も、会社から歓楽街への出入りを禁止されたり、通っていた馴染みのお店などが閉店し、遊びに行ける場所が無くなり部屋に篭ることが多くなった。そんな終わりの見えないコロナ禍の中、新しいお店をオープンさせるオーナーさんも少なからずは存在する。

「コロナ禍で沈んだみんなの顔を笑顔にしたい」

タニヤの雄「アゲハグループ」はコロナ禍の2020年にスクンビットエリアに進出。同年11月にはスクンビット・ソイ61(エカマイ)に「Girls Bar & Karaoke アイーン」を店内工事をしながらオープンさせるという離れ技を見せてくれた。

アイーン!@アゲハグループスピンオフ店!スクンビット進出!

そして迎えた2021年1月。タイは新型コロナウィルスの蔓延の「第2波」真っ只中。

ことの始まりは2020年12月下旬。首都バンコク南西に隣接するサムットソンクラーム県で新型コロナウィルスの新規感染者548人を確認。同国の1日当たりの感染者数として過去最多で、最大のクラスターとなった。ここから、タイ国内では感染者が芋づる式に増加し、2021年1月12日現在、感染者10,834人、入院治療患者4,035人、死者累積67人となっている。

新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、年明けの2021年1月3日にタイ政府は新たな規制措置を発表。マッサージ店、パブ、バー、カラオケなどのエンタメ施設の閉鎖。学校、レクリエーション施設などの閉鎖。店内での飲酒禁止。店内飲食はPM21時まで限定。県境をまたぐ移動の自粛・延期の要請などだ。

タイでは現在、ロックダウンをしている県が多数あり、許可書がない、特別な理由がない限りは県をまたぐ移動は禁止されている。ちなみに、県をまたいだ移動をした場合、14日間の隔離期間が必要となる。国から何の保証もなく営業を停止させられているお店やそのスタッフたちは先行きの見えないこの状況に深く不安感を抱いている。

日本でも1月7日、1都3県を対象に緊急事態宣言が発令され、お店を経営している方たちは現在も苦しい思いをしていることかと思う。日本では自粛営業の期間、国から少なからず保証金が出ていると思うが、タイでは何の保証もされない中、なんとか持ち堪えながら頑張っているお店もたくさんある。だから、日本の皆さんもなんとか頑張って持ち堪えて欲しい。そして、いつの日か、国と国との行き来が正常化した暁には、タイにもまた遊びに来て欲しいと切に願うばかりだ。