日本本社の代表者名を騙った者による詐欺既遂事案の発生

※在タイ日本大使館より

日本本社の代表者名を騙った者による詐欺既遂事案の発生

本年9月下旬頃、当地に所在する日系企業を狙った、日本本社の代表者名を騙った者による詐欺既遂事案が発生しました。

本件事案の概要は以下のとおりです。

実在する日本本社の社長名(実名)を名乗り、タイ国内に駐在する現地オフィスに日本語(流ちょうな日本語)で架電し、対応に出たスタッフより、海外送金担当者に繋がせ、同担当者の携帯電話番号やメールアドレスを聞き出し、一人になる場所に移動するよう指示される。

先方からの電話では、本社主導で企業買収の話を進めており、契約前に税務の面から、タイから指定口座に送金するよう依頼がある。その際、情報漏洩回避のため、「社長」と「弁護士」及び「海外送金担当者」のみで話を進めること及びタイでの資金繰りやネットバンキングで海外送金ができるか等を確認された後、指定する「弁護士」のメールアドレスに英語で「社長と会話したこと」及び「支払先の銀行口座情報を教えて欲しいこと」を送信するよう指示を受ける。

「弁護士」からのメールを確認するよう架電があり、直ちに指定口座に送金・承認手続きをするよう指示を受ける。その際、送金先の国名につき不明であったため、先方に確認したところ、「香港」との回答を受ける。

ネットバンキングにより送金が完了したことが分かるキャプチャをメールで「弁護士」宛てに送信するよう指示があり、銀行からSWIFTコードが発行されれば、再度弁護士にメールを送るよう依頼がある。

銀行側より、本送金目的の照会メールが入ったため、先方の「弁護士」に同メールを転送したところ、「銀行には本社の指示とでも伝えてうまくやっておいてほしい」、「取引の証拠書類は相手との契約書を後で送るのでそれを銀行に渡せばよい」、「他のスタッフは巻き込まないように」等の指示を受ける。

銀行より、SWIFTコードが発行されたため、「弁護士」にメール送付したところ、先方より「弁護士と買収先の話は順調に進んでいる。今日中には相手と契約締結できるだろう」等と架電が入る。

※この時点で、海外送金担当者より上司に報告があり、詐欺既遂事案として認知され
以後先方との直接のやりとりは生じていませんが、すでに送金は完了しており、先方の指定した香港にある銀行口座に着金済みであったとのことです。

香港においても、同様に今年4月に日系企業を狙った詐欺未遂事件が複数件発生しているとして
在香港総領事館から注意喚起が行われておりますが、その後も日系企業を狙った詐欺未遂事件が続いており、ここ数ヶ月は増加傾向にあるとのことです。

手口としては、日本本社の代表名を名乗りM&Aの交渉のため指定の弁護士と連絡を取るように促すものですが
直近では、架電者の日本語が流暢である、日本本社の電話番号が着信番号として表示されるなど、手口が以前より巧妙になってきているとのことです。

皆様におかれては、心当たりのない電話やメール、手紙等を受け取った場合には、鵜呑みにして
慌てて電話番号を教えたり、容易にメール等を送ったりせず、日本本社や関係部署等にも必ず事前に確認するなど、詐欺の可能性も疑って、組織的に対応頂くよう御留意ください。

今後上記に類似するような電話等を受けられました際には、本社の担当部署等に周知するとともに、当館にも御一報頂きますようお願いします。