第43話:半同棲14日後③ あなたがそう思うなら僕はもうあなたと別れる

タイ娘のいい加減さ

彼女は夜行性である。夜の世界が長かったせいか友達も夜の子が多い。
その日も僕との会話は途中で終わり出掛けた様だ。何故出掛けたのが判ったかと言うと、SNSにご丁寧に現在位置を書いているのだ。
このSNSはずいぶん前からやっている様で友達もとても多そう。ただ話している会話がとんでもない?
俗語が多い様でgoogle翻訳はまったく役に立たない。知人に聞いて見た。
すると、かなり卑猥な会話も飛び交っている様だ。そんな中で多数の男と楽しそうに会話している。
しかも僕の問いには答えない… 

この日は朝9時過ぎに帰宅したようだ。僕はもう歳だが、ひとりの恋の悩みを持つ男になっていた。
メナムの残照คู่กรรม(クーカム)。これはタイの映画やドラマで有名な、日本の軍人とタイ娘の恋の物語だ。
言葉の通じない辛さや、会えない辛さが、今の僕と同じでとても共感が持てた。
※僕の憧れの映画、こんな恋がしたい…
時間が経てば経つ程、余計な事を考えてしまう。夕方、彼女からメッセージが届いた。

「ごめんなさい。私を信じて!あなたは毎日何をしてるの?」、バカ野郎だ。
僕はメッセージを送り返した。「あなたが僕のガールフレンドなら、僕のメッセージを無視しない筈。
あなたはもはや私に興味が無い?」

既読になる事、返信してくれる事、それは相手が特別な存在であればある程、重要な事に思える。
ところがタイの女の子は多くがそれを気にしないらしい。機内モードにしてこっそり見るなんて事は有り得ないそうだ。
日本人がこだわり過ぎるのか?

どうにか金づるを引き留めようと必死か?急に変わる彼女の態度

2日後の深夜に彼女からメッセージがあった。

「私はあなたが恋しい。私はあなたが私を愛している様に、私はあなたを愛している。あなたが欲しい。」
「私は私の人生で家族を守る必要があり、私の家族は今追いつめられた、それは家族が苦しんで残念に思う。」
「申し訳ありませんが、あなたはまだ私を愛していますか?、時には迷惑で退屈です、しかし私はあなたの愛を信じています。」
…う~ん、複雑なメッセージだ。

彼女の言葉は続いた。

「私の人生の中からあなたを消すことは不可能です。なぜなら、私が世界であなたを一番愛しているからです。」
「あなたはもう私を愛していませんか? あなたは私を残したい、そう? 私は自分自身も貧しい人であることを理解しています。」
そのメッセージは、いつもの彼女の反応と違った。

「私には、あなたが必要です。あなたが私を必要とするならば、私に答えてください。」
「はい、私は永遠にあなたと一緒にいたい。」
「私も。」
「でも、あなたは私にもっと一緒に居なければならない。OK?」
「はい、あなたと一緒に再出発したい!」

やっと話が通じたのか?でも、僕が知りたかった事は、うまくスルーされた感じだった。
ただ、謝って欲しかっただけなのに。それなのにまた既読にならない。きっと他の人との会話に夢中なのだろう。
彼女のSNSを見た。タイ語の会話なので、Google翻訳すると…意味が解らない??知人に聞いた。
どうも良くは言って無い様だった。僕は怒った。

面倒くさい?どうせ私を忘れる事は出来ないでしょう?

「OK?」
「何がOK?なぜあなたは笑う?あなたはふざけていますか?僕はばかにされている?」
「どうして ?」
「好きだと言っている人へ、なぜそんな事を言うのですか?」
「私はあなたの言っている事が理解出来ません。私はあなたと話していたのに、僕を無視してSNSでふざけて笑っていた。」
「何?わからない…SNSはあなたと関係が無いでしょう?」
「あなたは理解出来ませんか?なぜあなたは笑う?」

しかし、彼女を問い詰めていた筈が、、、

「I happy」
「Netx time u come see me」訳が解らない事を言う…それでいて、その晩も出掛けた様だった。
早くも夕方、SNSに酔っ払った、と書いていた。僕は嫌みに彼女に言った。

「今日はもう酔っ払い ?」そう言うと「What?」と、とぼけた。
それから2日後、メッセージが来た。

「今、あなたは何をしているの?私は家に帰ってます。私はあなたが居なくて寂しい、だから今、私は友達と一緒に部屋にいます」
「友人は女性ですか?」
「…私は言わない、あなたが怒るから…」
とうとう白状した?、きっと男だろう…、しかも僕が借りている部屋で?

まじ、切れた!

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