第33話:半同棲9日目、破局?え?それとも?

意地

あ、、、 

僕の目の前に、バイクが止まった。ふと見ると、彼女だ!… しばらく二人とも無言で… ママがちゃんと話して来いって。わかった、と言いバイクの後ろに乗った。いつもだったら抱き付いて、太もも辺りに捕まるのだが、さすがにこの気まずい状況では、そうは出来ない。彼女は気がたっているせいか、いつもに増して運転が荒かった。タイ人みたいにつかまってなかったので、危うく落ちそうになった。彼女の部屋に着くとこう言った。

>私はただママに言われただけだから
<うん、いままでごめんね
>あなたが、何度も同じことを言うから… 
<同じことをきみにも言いたいけど… 
>もうダメね
<… うん

内心、何とかして持ち直したかった。でも、気の強い彼女、絶対に折れない。本心は違ったとしても、突っ張る性格。陰て泣いても、人前では決して涙を見せたりしない。僕は彼女ほど気が強くない。胸にこみ上げる何かが、目頭から水分を押し出してしまう。いままさに破局寸前… いや破局!か。つい、ポロっとしてしまった。でも彼女には見せまいと、ひたすら隠した。もう泣き叫びたい。僕はされた事を謝って欲しかっただけ。そしてこの先、2度と同じことをしないで欲しかっただけ。ずっと彼女と一緒に居たかったから。なのに彼女は事実は認めても、さらに強烈な批判が始まったのだ。

バイクで戻った彼女の表情は、何か言いたげだったが…

帰って行く彼女は振り返らなかった

感謝

いままで本当にありがとう。いろいろ嫌な思いをさせてごめんなさい。
大好きな人を困らせてしまった事、後悔しています。あなたと過ごした日々は決して忘れません。
ありがとう。あと1時間だけこの部屋に居させて下さい。そしたら、この部屋を出ます。
もし… いや。ありがとうございました。ご両親、ご家族の方にもお礼申し上げます。
では。

決意

今更だけど、メッセージを送った。バンコク行きの最終バスは午後11時だった。
じっと目を瞑って、今までの事を思い出した。そう言えば、僕の誕生日、誰も何もしてくれなかったけど、唯一彼女は、お誕生日おめでとう、と言ってくれたっけ。
その言葉だけで、僕は最高の幸せだったよ。

あと、10分で部屋を出なくては。
ありがとう、彼女。部屋を出ようとした時に、LINEメッセージが入った。
誰からかな?どのエロ仲間かな?

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