第30話:半同棲8日目 ついに破局か? お互いの気持ちにすれ違い

ついに破局か…お互いの気持ちにすれ違い

彼女は、シスターに電話をしていた様で、部屋に戻りビデオ通話の画面を見せられた。
シスターはこう言う。彼女はまだあなたの事を愛してる、許してあげて、と。
通話が終わり、僕と彼女の間には沈黙が… 彼女の顔にはいままで見た事の無いくらいの怒りの表情が見えた。
スマホの画面には、あなたと歪が… と。
さらに、彼女は続けた。そこには、唖然とする言葉が…
もう終わり?午前2時、幸せの絶頂から、一挙に破局向かう2人
お互いの眼に涙がにじんでいるのがわかった。

僕の人生史上、最悪な年末年始、そして誕生日だった。
彼女が好きでなかったら、通り過ぎて行く女だったら、こんなに悩まないのでしょう。
どうしても理解できない僕と、なぜそんなに考えてばかりいるの、と言う彼女…どうも彼女は
”あなたはセックスの事ばかり”と言うけど、セックスを拒否するのは、セックスが嫌いだからと言う彼女の言い分は受け入れられない。
過去は仕事とは言え、お金で許したセックスを、いま僕は多額のお金を出していても、セックスが許されない。
気持ちは好きだけど、体は受け入れられないと言うが、好きだったら、お互い求め合うものだと思う。
が、彼女は違った。

こんなに仲良く見えても、気持ちは離れていたのか?

セックスを嫌がるガールフレンドには果たして本物の愛はあるのか?

友達の夫婦関係にも、その様な関係の人が居る。
奥さんからはセックスを拒否される代わりに、自由に訪タイし遊べる。
でも、奥さんを愛しているから別れない。そういう夫婦仲もあるって事なんだろう。
これは他人がとやかく言っても本人同士にしか解らない。
他人には理解出来ない深い事情があるのだと思う。

彼女と話しをすると、エッチは10年に一度ならOK、なんて冗談を言う。
僕が怒るとジョークだと言い、一週間に一度ならOKと言った。
SEXは回数の問題では無く、恋人同士の場合、行為そのものより愛を確認する手段と思う。
しばらく沈黙が続いた。そこに彼女からのメッセージが届いた。

例え言葉が通じても解り合えないと思ってしまった

>ใช่ฉันรักคุณแต่ไม่ใช่ในกรณีย์นี้

彼女は面倒になるといつもタイ語で送って来るのだ。
そのタイ語をGoogle翻訳で直訳すると

>はい、私はあなたを愛してではなく、この義務で。

カチンと来た。ちと黙り込んだ。もしかしてと思い英訳してみると

>Yes, I love you, but not in this duty.

あれ?愛してる?どっちなんだよ?そう思っていた時に届いたメッセージはこれだ。

>Ok i come kack 1 h 03 000 Ok

???、kackって何?ネットで調べても分からない。

もしかして、セックスしたいなら1時間3000バーツとか言ってるのか?もう訳が解らなくなった。

いままでの事は嘘だったのかと聞いても、私は嘘を言わないと言い張る。
言葉の壁はあまりにも大きかった。タイ語は少しずつ勉強はしているものの記憶力の悪い50おやじではなかなか先に進まない。
昨日の覚えた事を今日もう忘れてる。頭の良い人達からすると、勉強すればいいのに、と言うが努力が結果に結びつかないの悩みだ。
自分の言いたい事、相手の思っている事、もうぐちゃぐちゃだ。このまま生活を続けても、なる様にしかならないと感じた。
僕にとっては、お金の問題より、深刻だ。
彼女を思う気持ちはとても強い。でも、お互いの気持ちが通じない。
さらに言葉無くして、体で愛し合えない。

もう別れようか?

何度も喧嘩をしてどんどん愛が深まって… そんな風に思っていたが、それは逆だった。
話せば話すほど、疑問が深まるばかりだった。もうやるせ無くなって、一緒に暮らす事は無理か?
そんな風に考え黙って荷物をまとめた。
午前3時、バイタクを捕まえて、とりあえずバス停で始発を待つかな…
おどける彼女は時として何を考えているか解らなくなる

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