第2回「早く行かへんと、閉まってまうで~!」

好評の俺の連載企画「風俗マイスタータズヤンのバンコクローカル風俗の旅!」。第2回目の旅はやって来たで!バンコクに今も残る、

最後の最後の1 店。軍や警察の締め付けも厳しくなって、早く行かへんと、ホンマに閉まってまうで~!

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バンコクの風俗史上、燦然と輝くノーハンド。その歴史は、知る人に聞けば30年~40年以上にもなるとか。

えっ!
何それって?知らないって?

あかん、あかん。

それではまずは、この古典風俗の簡単な紹介から。

ノーハンド・レストランは、かつてはあちこちにあったらしい。

システムはいろいろらしいけど、基本となるのは、席に付いた女の子が客の飲食の一切の面倒を見てくれるってこと。
つまり、注文したビールや飯を食べさせてくれるというわけだ。

中には、タバコやトイレの際の手洗いの面倒も。
自分の「手」を全く使わないから「ノーハンド」というわけ。

じゃあ、空いたままの自分の手はどうするの?ってことになるんやけど、そこが面白い。
さすが古典風俗の王様。

ちゃっかり女の子の腰に手を回すのもよし、香りのする黒髪をなでるのもよし。
さらには、背後から可愛い乳房をわしづかみにしても。

人によってはエキサイトして、下のほうから中指を伸ばして…。これ以上は書けへん。想像してみて!

席はだいたいが個室。ウェートレスのおばちゃんが注文を取りに来て、届けてくれた後は、もう女の子と二人きり。
完全な密室空間。そっとチップを渡すと、慣れた手つきで服を一枚一枚と脱いでくれる。

美しく清らかな白肌や谷間が目の前に現れる。そうなれば、もう客も完全な興奮状態。
かつては個室でそのまま一戦というのもあったそうだ。

それが、新しい出会い系風俗や豪華MPなどの登場でだんだんと少なくなったノーハンド。

数年前まで3 店残っていたうち、シーロムとペッブリーの各店が閉店。
今も残っているのがラーチャテーウィー区の老舗「スラット(สุรัชต์)」のみというわけだ。

今回訪ねたのがその店。


何でも風の便りで「軍政の締め付けが激しくて閑古鳥が鳴いている。

近々、閉店という情報もある」と聞いたから、風俗マイスターの俺としては本当に閉まる前に突撃レポートしなあかんって判断したんや。

 

訪ねた2月某日は、少し肌寒い曇天だった。

午後7時すぎ、トゥクトゥクで店に横付けした俺は、中から出てきたボーイのおっちゃんとの挨拶もそこそこに、ビルの階上に上がった。
5階建てビルは全部がスラットの店舗。
屋上付近には電球の切れそうなすすけたネオンが見える。

 

流行っていたころは、この箱がいっぱいになるほど客が足を運んだんだなあと、妙に感心もした。
エレベータが3階で止まって扉が開く。目の前にはコの字型の「雛壇」。

 

とはいえMPのそれとは違って単なる木製の長椅子なんだけど、かつてはここに20人以上の女の子が座って指名待ちをし

客が好みの子を連れて個室に入っていったんだとか。

ところがこの日は端のほうに一人しか座っていない。

しかもスマホをいじっていて顔すら上げない。
「参ったなあ」と俺。でも、気を取り直して案内されるまま308号の部屋に入った。
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ウエートレスには「女の子が出勤したら2 人ほど呼んで」と頼んでおいた。

 

とりあえず、ビールとガイトート(鶏肉の揚げ物)などを頼んで女の子が来るのを待った。

 

15分後、ノックがして引き戸が開くと、それぞれ黒色と柄色のワンピースを着た二人が、「サワディーカー」と入ってきた。

ところが、笑顔はあんまりない。表情もどこか暗い。

案内されるまま両側に座ると、おもむろにお絞りで俺の手を拭き始めた。

 

右側の子はハナ。23歳と自己紹介した。イサーン(東北部)のウドンターニー出身。長身でスレンダー。

胸はあるが、どこか骨格がボーイッシュ。

「女の子かい?」って小声で聞いてみたところ、「プジン(女の子よ)」って答えていた。

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もう一人はナムチャー。「お茶」の意味。

 

中部ナコーンパトムの出身、25歳と言っていたけど、俺の見立てでは10歳前後はサバをよんでいる、そんな感じがした。

 

どこか暗い理由はすぐに分かった。このところ、3 日に一度は軍や警察が手入れをしにやって来るのだという。

未成年や外国人を働かせていないか、性的なサービスをしていないかというのを確認しに来るのが目的なのだとか。

 

だから、雛壇にも座れない。ましてや、服を脱いで室内でプレイしているのが見つかったら、即刻連行。

以前は全裸もOK だったサービスも、今では上半身に限定しているんだという。

 

スマホで写真を撮ろうとしたら、「だめ!」。

途端に険しい顔になった。

 

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かつてはイサーンや北部地方の色の白い女の子が多かったスラット。
3年ほど前は、ミャンマーのシャン州に多く住むタイ・ヤイ族やモン族、そしてラオス族の出稼ぎが目立った。

 

ところが、この1年でずいぶんと締め付けが厳しくなったらしい。そのあおりを受けて、最近は客足もめっきりと減っているという。

この日も、俺の他に来店したのは3人組の中国人だけだった。
勤続10年というウエートレスのモンさんに聞いてみた。「景気はどう?」。

 

おばちゃんは言った。「さっぱりね。5組も来ればいいほうだわ」。

 

室内で盛り上がった客と女の子がそのまま向かう近くの連れ込みホテルも、つい最近閉店したのだという。

「先は見えているわね」。

 

寂しそうだった。かつて流行ったバンコクの古典風俗ノーハンド。どうやらカウントダウンに来ているというのは本当のようだ。

まだ訪ねたことがないという貴方!

早よ行かな閉まってまうで~!(続く)

 

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